南から吹く風もこんなに強くっちゃ寒いよ。砂浜をザクザク大げさに歩いたり、ちょっとダッシュしてみたりするけど、まったく暖まらない。知らないうちに俺は体温を奪われ、身動きも出来ない。昨日盛大に燃やした火も、ホントは俺を暖めてはいなかったよ。今一人眺める小さい火は、ますます俺を冷たくする。どこにも行き場所がないまま、たまにパチリと跳ねるこの火を眺めこの体が凍るのを待つとしよう。
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人間なんて、生きているだけで、前に進んでいる。どんなに閉じこもっていても、時間が前に進むんだから、人は、そこに居るだけで前に進んでいるのだろう。 では、何が変わったろうか?何も変わりもせず、体だけが病み、老いていくだけだ。前に進むことが、必ずしも良いわけではないんだろうね。。。いや、そうでない。
前に進むことが楽しいと思えない、この体、この精神を鞭打つべきだ。今一度、猛々しく雄叫びをあげ、前に進む力を振り絞らなければならない。
涼しくなった頃 夕暮れ時に、僕は君をバイクの後ろに乗せて とっておきの岬に連れて行く。 太陽の消えかかった頃 僕たちは少し照れながら手をつなぎ岬の先まで歩いていく。 あたりが真っ暗になった頃 手を離した君の顔もよく見えないけれど二人デコボコした岩の上を歩いていく。 何も見えなくてふと一人になった頃 振り返ると灯台の灯りが一瞬僕を照らす。すっと動いていく灯りの中に君の姿。 何度も僕を照らす。何度も君を照らす。灯台の灯り。
暗闇にざわざわと波の音。
砂浜にザザッザザッと足音ふたつ。
見えない波打ち際を音を頼りに歩いていく。
暗い中大きな岩がさらに黒く見える。
僕たちはその前に波の音に向かいそのまま座り込む。
ザワザワと足元に波が寄せる。
二人手をつないで見えない海にむかう。
僕はただ前を向いて波の形を想像していた。
ふと、「あ、星が光ってる」と、アナタが指差した空に、
僕も一つ光を見た。
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