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2007年5月 9日 (水)

あゆみ(1)

Dscn1147 心の中では、ずっと居心地の悪さを感じている。一人目覚めても。親と顔をあわせてなんとはない話をしても。弟と飲みに出て二人酔っ払っても。古くからの友人の所に遊びに行って懐かしい話やらしても。僕は、若い。二十歳を超えて、やっと世の中が見え始めるころ。いやあ、全く分かっていなかったのかもしれない。自分ひとり置いて、みんなが先へと進んでいる。一番近くにいると思う彼女でさえ、僕を置いて進んでいく。そんな時期だったんだ。

僕は、早々にドロップアウトした。今でもそうだが、僕は忍耐力に欠ける。あるいは、気が多いのかもしれない。日常が、嫌になったわけじゃない。でも、そのままでいることが嫌になったんだ。そのまま自分でがんばるよりも、環境を変えて、いつかまた、自分の足で歩き出すために、自分の道を自分で踏みしめるために、ドロップアウトした。

ちょうど学生たちが春休みになって、込み合う空港に、いつものバッグに着るものだけ詰めて向かった。アルバイトをした時にもらった、青のバッグ。長年の旅の相棒だ。行き先は、南。

本当は、どこでも良かった。南である必要はなかった。どこでも良かったんだ。この選択は、かなり大きな影響を僕の人生に与えるのだが、ちょっとしたことで人生とは変わっていくものだ。

なんというこだわりもなく決めた、沖縄行。到着地は、宮古島。飛行機に乗り込めば早いもので、2時間あまりで着く。別に行き先に興味があるわけでなく、機中では、ずっと眠っていた。到着のアナウンスに起こされて、宮古島空港に降り立ったが、日差しも強く、もわっとする空気が、そのまま僕を夢見心地にする。タクシーに乗り、「一番いいところに連れてってくれ。」と言えば、車はすぐに走り出す。空港沿いの細くまっすぐな道を車は抜けて、しばらく走ると、正面に海が見える。青い空、ゆっくりすべる白い雲が、綺麗に映っている。僕は、目を見開いた。全く未知の世界の入り口が、心の底で待ち望んでいた出口がそこにあるように感じたんだ。僕はタクシーの後ろから、前のシートの間に首を突き出し、じっと青い海を見ていた。

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